父「大樋陶冶斎を送る会」ご案内皆様にどのようにお伝えしていいかと言葉を選びながら1ヶ月が経ちました。朝刊に会の記載をされましたので改めてここにご報告いたします。父、陶冶斎は去る十月十七日永眠いたしました。通夜、密葬は親族だけでゆっくりと送り出しました。父は年郎、年朗、十代長左衛門、陶冶斎とその時代と共に九十五年の人生を歩んでまいりました。皆様のご縁とお支えをいただき、ただひたすらに美を追求し、本人にとっても悔いのない人生だったと思います。お人様には常に笑顔で接し平和な心を持った父でした。それはきっと常に美しいものだけを追い求めた表れだったのかもしれません。想えば私とは大学時代から日展などの創作活動を始めた時、父は普段とは違い制作における妥協のない厳しい薫陶を受けました。その後、茶道の道に入ってからは古美術や現代美術での美しさとは何かということなど朗らかに語り合いました。晩年に一緒に合作を造った作品などは今となってはかけがえのない想い出となりました。亡くなる前日、石川県国民文化祭での天皇皇后両陛下ご臨席の元の点前披露とご面談の事と富山護国神社での大宗匠様の御献茶式の報告をし、待っていたかのようにその翌日に旅立ちました。これから父が生涯思い続けた「負けん気」「温故知新」「創意創作」「人が作っていない美しいもを作る」を心がけ日々精進して参りたいと存じます。父がこれまでの皆様から賜りましたご厚情に心から感謝申し上げます。この度は金沢市名誉市民ということで金沢市、石川県、一般財団法人県文化協会などでお別れの会を催していただきますこと深く感謝申し上げます。ご縁の皆様、ご多忙こととは存じますが何卒伏してよろしくお願いいたします。「大樋陶冶斎　送る会」12月10日(日)13時より　金沢市文化ホールにて　　　　　　　　　　令和5年11月　奈良宗久